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消毒 減菌法

加熱法

高温処理することによって殺菌する方法。
微生物は有機物から構成されるため、特に水分存在下で加熱(湿熱)すると死滅しやすい。
ただし、一部の細菌が作る芽胞は極めて耐熱性が高く100℃で煮沸しても死なないため、滅菌する際にはより高い温度を用いる必要がある。
なお室温よりも低い低温は静菌的には働くが、0℃以下の低温でも菌そのものが死滅する殺菌効果は期待できない。

焼却 有機物を完全に燃焼させる方法。
確実に滅菌できるものの、対象物も同時に喪失してしまうため、実用的とは言えない。
通常は、伝染病の発生時に、病原微生物で汚染されたものを処分する目的で用いる。
火炎滅菌 火炎で直接加熱して滅菌する方法。
緊急時の手術用具や微生物培養時の機器類などの滅菌に用いる。
乾熱滅菌 滅菌用オーブンで180℃30分あるいは160℃1時間加熱する方法。
水分を含まない耐熱性の器具・金属・ガラスなどに用いる。
高温高圧滅菌 専用装置(オートクレーブ)を用いて、飽和水蒸気中で121℃2気圧15分以上加熱する方法。
湿熱で芽胞を死滅させるため、圧力を上げて100℃以上の温度にする。
乾熱滅菌の高温で変形・燃焼してしまうものや、水分を含む培地などの滅菌に適している。
対象物によっては、115℃1.7気圧30分以上の加熱でよい場合や、病原性の高いものに対しては133℃3気圧で1時間加熱する場合もある。
間欠滅菌 煮沸と冷却を何度が繰り返す方法。
細菌の芽胞が、増殖に適した環境になると通常の菌体に戻ることを利用したもの。
滅菌できるまでに時間がかかるため、最近はあまり用いられていない。
煮沸・熱湯消毒 低温殺菌。
100℃以下の温度で時間をかけて加熱処理する方法。
オートクレーブなどの滅菌処理で変質してしまう食品や台所用品・調理用品・ソフトコンタクトレンズなどの殺菌に用いる。
流通蒸気殺菌 高温殺菌。
100℃以上の湿熱で加熱する。
耐熱性の芽胞を死滅させることができる。
高圧蒸気殺菌 120℃以上の湿熱で加熱する。
缶詰や牛乳の殺菌などに用いられる。

照射法

対象物に強い電磁波を照射し、細菌やウイルスなどの遺伝子を破壊して死滅させる。
電磁波には殺菌以外にも消臭効果があるため、その相乗効果を併せて用いられることがある。

エックス線滅菌、ガンマ線滅菌
(放射線法・高周波法)
放射線とは、光と同じ空間を伝わるエネルギーの一種であり、電磁波と粒子線の二種類がある。
物質への透過性が高く、目にも見えず、体にも感じない特性があり、強い殺菌力を持つ。
ただし放射性物質を取り扱う必要があるため、利用できる施設は限定される。
紫外線殺菌 滅菌あるいは消毒)照射量によっては十分な殺菌力が期待されるが透過性が低いため、光の浸透しない部分には効果がない。実験台やクリーンベンチの机表面に照射したり、クリーンルームの消毒殺菌灯に利用される。一部の飲料の製造工程では流路に照射して殺菌することもある。300~200nmの紫外線を利用し、254nmが最も効果的である。
パルス光殺菌 鶏卵の殺菌など

その他

高圧殺菌 超高圧処理による殺菌
真空パック 滅菌でも消毒でもない静菌作用)好気性の細菌の増殖を止め死滅させる効果があるが、嫌気性細菌には無効。
濾過滅菌 液体や気体を、細菌用メンブランフィルターや中空糸膜などの特殊なフィルターで濾過する。
フィルターにある孔の径よりも大きな微生物はフィルターを通過できないために除去されるが、小型の不定形細菌やウイルスなどには無効である。
電気的殺菌 微弱電流による殺菌。
液体や固体に直接電界を印加し、クーロン力により微生物を損傷・破壊し殺菌を行なう。
殺菌の対象物に直接電界を印加しないといけないため、パッケージングしたものには向かない。
光触媒反応 光触媒は、太陽や蛍光灯などの光が当たると、その表面で強力な酸化力が生まれ、接触してくる有機化合物や細菌などの有害物質を除去することができる環境浄化材料。
通常の触媒プロセスでは困難な化学反応を起こしたり、光エネルギーを蓄える反応を起こす場合がある。
マイクロバブル
(二酸化炭素など)
マイクロバブルとは、発生時の気泡の直径が10マイクロメートル(100/1mm)〜数十マイクロメートル以下の微細な気泡。
ただの気泡であるにも関わらず様々な特性を有しており、その特性をうまく用いることで水質浄化に活用することができる。
超音波 超音波とは、人間の耳には聞こえない高い振動数をもつ弾性振動波のことで、音域(20KHz以上を言う。
指向性が高く高解像度のため、その周波数で加工を行えば非常に静かで且つ効率的な加工が可能となり、モノの洗浄・殺菌にも効果を発揮する。
オゾン水
電解水
オゾンは、酸素と同素体である無色の気体。
酸素分子と酸素原子からできており、自然大気中に存在している。
これを特殊な技術により水中に溶け込ませ、水自体に殺菌力を持たせたものがオゾン水。
電解水とは0.1〜1%程度の希薄食塩水などの電解質水溶液を電気分解して得られる水溶液の総称であり、強酸性水、強酸化水とも称され、多種類の微生物に対して強い殺菌力を持っている。
ガス滅菌 酸化エチレンガス法・過酸化水素ガスプラズマ法等。
エチレンオキシドやホルムアルデヒドなどのアルキル化剤の気体(ガス)や、酸化剤であるオゾンの中に、対象物を静置して滅菌する。
熱に弱い器具の滅菌にはエチレンオキシドが、汚染した建物の滅菌にはホルムアルデヒドガス(ホルマリン燻蒸)が用いられる。
殺菌剤・殺菌消毒薬 これらは通常、液体あるいは水溶液として消毒の目的で用いられることが多い。その種類・性能・用途は様々。

身近な消毒

対象物 方法
飲料水・牛乳 超高温殺菌(130℃,2秒間)、高温殺菌(72〜85℃,15秒間以上)、低温殺菌(62〜66℃,30分間以上)の3種類がある。
卵殻にサルモネラ菌が付着することが多いため殺菌処理を行う。
缶詰・瓶詰・レトルト食品 容器に密封し、加熱、加圧して殺菌する。
梅干 塩分やクエン酸によって細菌の繁殖を抑える。
飲料用以外の水 次亜塩素酸ナトリウムなどを添加することにより殺菌を行う。
プール 使用の前後に、消毒槽などと呼ばれる高濃度の殺菌剤を添加した水槽に浸かることがある。
皮膚に障害を与えるとして、学校などでは使用を取りやめるところもある。
公衆浴場・温泉 不十分な殺菌のため、レジオネラ菌などの繁殖が問題となっている。
殺菌よりも消臭、乾燥を目的とする意味合いが強い。
台所用品・調理用品 熱湯による殺菌や、漂白剤、殺菌剤(次亜塩素酸ナトリウムが主成分)を用いることが多い。
業務用では紫外線殺菌灯やオゾンも用いられる。
建築物住宅 次亜塩素酸ナトリウムなどにより殺菌を行うとカビの色素が抜ける。 消毒用エタノールなどにより殺菌を行うとカビの色素は抜けない。
どちらの方法でも防止はできないので、繰り返し行う。
トイレ トイレ用に塩酸を含んだ洗剤があり、汚れ落としと同時に殺菌効果もある。
抗菌については、トイレや陶器製洗面器に抗菌処理を施した製品がメーカーから出ている。

手指の消毒方法

家庭での感染予防においては手洗いとうがいが基本です。
そこで衛生的な手指の消毒法を紹介します。

名称 手法 摘要
ベースン法
(浸漬法)
洗面器に消毒液を入れ、その中に手指を浸して消毒する方法 逆性石鹸、グルコン酸クロルヘキシジンなど
スクラブ法
(洗浄法)
手指で石鹸を泡立てながら流水で洗い流し、洗浄と消毒を同時に行う方法 薬用石鹸など
スワブ法
(清拭法)
簡易的なもので、消毒薬を含有したガーゼや綿等で手指の汚れをふき取りながら消毒する方法 エタノールなど
ラビング法
(擦拭法)
速乾性の消毒薬を手(乾燥していること)にとり、乾くまで両手を擦りながら消毒する方法 エタノールと逆性石鹸混合液など