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消毒 細菌・ウィルスについて
微生物とは?

微生物は、地球上のあらゆる生物圏に生息し、上空5000mから地下数km、あらゆる水圏や土壌から発見されています。
その他、生物体内にも寄生・共生し、関係不明の多くの微生物が生息しています。
その大きさに明確な定義はなく、人間の肉眼ではその構造が判別できないような微小な生物を微生物と呼び、細胞の核の有無と染色体の数、その他の条件により、真核生物と原核生物に分類されます。
核の存在する真核生物は更に、細胞壁のない原虫(アメーバー等)と細胞壁のある真菌(普通カビと呼ばれる)に分けられます。
一方、核の存在しない原核生物に真菌と同じく細胞壁があり、真正細菌・古細菌・クラミジア・リケッチアなどがこれに属します。
この他に、生物共通の細胞構造を持たない、ウイルスやプリオンなどが存在します。
また、ワムシのような極小の動物も微生物に含まれます。
なお、菌類などでは、肉眼的なコロニーを作るものであっても、カビのように体の構成単位が顕微鏡レベルにあるものは、微生物として扱われます。
カビの場合、大きいものは背丈が10cm、コロニーの直径はさらに大きなものがありますが、多くのものでは、その基本構造である菌糸や胞子形成部は1mm以下であり、やはりその構造を知るには顕微鏡が必要になります。
ちなみに、細胞構造を保つ生物としてはリケッチアあたりが最小であると考えられている。

ウィルスとは?

他の生物の細胞を利用して自己を複製させる微小な構造体で、遺伝子である核酸とそれを保護するタンパクの殻からできています。
電子顕微鏡でなければ観察できないほど小さな粒子で、生物の基本的な構造単位である細胞という形態と機能を持たない不思議な生命体です。
モノを合成する酵素を持たず呼吸やエネルギー代謝をしないので、生きた細胞の中に侵入して細胞の代謝系を利用して子孫を作ってもらわないと殖えられない生物です。
そのため、細胞には無効でウイルスにのみ有効な特効薬はありません。ウィルス・ビールス・濾過性病原体・病毒と表記することもあります。

細菌とは?

広い意味では、酵母・カビ・細菌などの総称として用いられる言葉で、核膜が存在しない単細胞の生物です。
肉眼では見えないので、光学顕微鏡で観察します。
真正細菌は、古細菌が持たないアセチルムラミン酸を含んだ細胞壁を持つ原核生物のことで、バクテリアとも呼ばれます。
細胞外マトリクスの構造の違いによってグラム陰性菌とグラム陽性菌に分類され、動物の細胞とは異なり植物に特有の細胞壁を最外側に持ちます。
植物や動物とは異なりきわめて多様な代謝系や栄養要求性を示し、生息環境も生物圏と考えられるすべての環境(主として水圏)が含まれます。
また物質循環においても有機物の分解過程という重要な位置を占めています。
食品関係においてはチーズ・納豆・ヨーグルトといった発酵過程において微生物学発展以前から用いられてきた。
また、腸内細菌群は食物の消化過程には欠かすことのできない一要素でもあります。
一部のものは病原細菌として、人や動物の感染症の原因にもなります。
有名な抗生物質であるペニシリンは細胞壁の合成を阻害するので、細菌には有効に作用しますが動物細胞には無効です。
その他にも、クロロマイセチン・テトラサイクリン等々様々な抗生物質が発見されており、その製造や免疫系の新薬開発の上でも非常に重要なものです

気になるウィルス

ノロウイルス

ノロウイルスは、電子顕微鏡で観察される形態学的分類で「小型球形ウイルス」、または、「ノーウォーク様ウイルス」という属名で呼ばれてきており、集団感染は世界各地の学校や養護施設などで散発的に発生しています。
2002年の夏、国際ウイルス命名委員会によって「ノロウイルス」(NV)という正式名称が決定され、その後、世界で統一されて用いられるようになりました。
ヒトに対して嘔吐・下痢などの非細菌性急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種ですが、その多くは数日の経過で自然に回復します。
また、食中毒の原因ウイルスとして知られており、季節的には秋口から春先に発症者が多くなる冬型の胃腸炎です。
カキなどの貝類による食中毒の原因になるほか、感染したヒトの糞便や嘔吐物、あるいはそれらが乾燥したものから出る塵埃を介して経口感染します。
ヒトからヒトへの感染として、ノロウイルスが飛沫感染、または比較的狭い空間などでの空気感染によって感染拡大するとの報告もあります。

O157

0157は、0抗原が157番の大腸菌です。
一般に病原菌として認知されているO157は、腸管出血性大腸菌O157:H7のことです。
大腸菌は、家畜や人の腸内にも存在し、ほとんどのものは無害ですが、このうちいくつかのものは、人に下痢などの消化器症状や合併症を起こすことがあり、病原大腸菌と呼ばれています。
病原大腸菌の中には、毒素を産生し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群を起こす腸管出血性大腸菌と呼ばれるものがあります。
更に、腸管出血性大腸菌は、菌の成分によりさらにいくつかに分類されています。
腸管出血性かつベロ毒素をもつ大腸菌のO抗原は、O1.O18.O26.O111.O128など多数ありO157:H7もその一部で、毒素により出血性腸炎を起こすことから、正式には「腸管出血性大腸菌O157」と呼ばれています。
腸管出血性大腸菌O157は、牛などの家畜や人の糞便中にも時々見つかります。
家畜では症状を出さないことが多く、外から見ただけでは菌を保有する家畜かどうかの判別は困難です。

インフルエンザ

インフルエンザ、はインフルエンザウイルスによる急性感染症の一種で、流行性感冒と呼ばれる疾患で、原因となっているウイルスの抗原性の違いから、A型、B型、C型に大きく分類されます。
現在、ヒトの世界で広く流行しているのは、A/ソ連型ウイルス(H1N1亜型)、A/香港型ウイルス(H3N2亜型)、B型ウイルスの3種類ですが、症状や治療、予防法には大きな違いはありません。
1〜3日の潜伏期間の後に発病すると、38度以上の発熱・疲労感・頭痛・関節痛・筋肉痛など全身の症状があらわれ、併せて普通のかぜと同様のノドの痛み・咳・鼻汁などの症状も見られます。
ときには、腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状がでる人や、筋肉の炎症を起こし足の痛みを訴える人もいます。
また、目の充血やのどの粘膜が赤く腫れたり、首筋のリンパ節が腫れることもあります。
更に、気管支炎・肺炎・小児では中耳炎・熱性けいれんなどを併発し重症化することもあり、ごくまれに急性脳症や二次感染により死亡することもあります。

一般的な予防手段としては、加湿・手洗い・マスクがあるが、最も効果が高いのはワクチンの接種です。
ワクチンは身体の免疫機構を利用し、ウイルスを分解・精製したHA蛋白などの成分を体内に入れることで抗体を作らせ、本物のウイルスが入ってきても感染させないようにするものです。
インフルエンザワクチンの接種を行うことで、インフルエンザによる重篤な合併症や死亡を予防し、健康被害を最小限にとどめることが期待できます。
このワクチンの効果は、年齢、本人の体調、そのシーズンのインフルエンザの流行株とワクチンに含まれている株の合致状況によっても変わります。

次の予防策としては、抗インフルエンザウィルス薬の予防利用があります。
治療用の薬であるオセルタミビル(商品名タミフルカプセル75)・ザナミビル(商品名リレンザ)は、予防用としても使用認可されています。
ただ、予防薬としての処方は日本では健康保険の適用外であり、原則的な利用条件が定められています。

その他の予防対策は、日常生活で実施するものがあげられます。

  • マスクを着用する。しかし、前述のように完全に予防することはできないので注意が必要。
  • 換気をこまめに行う。部屋の湿度を充分に保つことを心掛ければ、飛沫核感染の可能性を低く抑えることが可能。
  • こまめにうがいをする。うがい薬がお茶が有効ではあるが、20分くらいしか予防効果がないので注意が必要。
  • 感染の可能性がある場所に長時間いることを避ける。人ごみや感染者のいる場所を避ける。
  • 栄養や睡眠を十分とる。免疫力の低下を防ぐための対処法。
  • 衣類や身の回りのものをこまめに洗濯する。唾液等が付着しやすいものを清潔に保つ。

治療は、A型の場合は、アマンダジンという薬が効きます。
ただし、ウィルスに耐性ができるため効力は長続きしません。
ノイラミニダーゼ阻害薬は、A型・B型ウイルスともに有効で、しかも耐性ウイルスができにくいというメリットがあります。
いずれの薬もインフルエンザの症状を軽減し回復を早めますが、発病してから48時間以内に使用を開始しないと効果がありません。
インフルエンザが疑われる症状が出たら、すぐに医療機関へ行くことが重要です。

SARS(重症急性呼吸器症候群)

SARSは、Severe Acute Respiratory Syndromeの略で、日本では「重症急性呼吸器症候群」と呼ばれ、中国広東省に端を発し、アジアを中心に世界数十ヵ国で広がりをみせた呼吸器疾患です。
わが国においては、同年4月に新感染症に、ウイルスが特定された6月に指定感染症に指定され、2003年11月5日より感染症法の改正に伴い、第一類感染症としての報告が義務づけられるようになりました。
前回の集団発生は2002年11月16日の中国の症例に始まり、台湾の症例を最後に、2003年7月5日にWHOによって終息宣言が出されましたが、32の地域と国にわたり8,000人を超える症例が報告されました。
拡がり方はインフルエンザや麻疹ほどではなく、ウイルスが体内に入っても多くの人は軽い症状だけで回復しますが、一部には重症化する人もいるので十分な注意が必要です。 現在は、海外でも患者が発生している国や地域(WHOが指定する流行地域)はありません。

症状
主な症状は、38℃以上の高熱と、痰を伴わない咳や呼吸困難といった呼吸器症状です。
また、頭痛、悪寒戦慄、食欲不振、全身倦怠感、下痢、意識混濁などの症状が見られることもあります。
胸部レントゲン写真では、肺炎または呼吸窮迫症候群の所見が見られます。

病原体
中国南部の広東省を起源とした重症な非定型性肺炎の世界的規模の集団発生が報告され、WHOが9か国13か所の研究施設からなるネットワークを組織し、そこで国際的な共同研究が行われました。
その結果に発見されたコロナウイルス科に分類される新しい型のウイルスです。
WHOは2003年4月16日にこれが重症急性呼吸器症候群(SARS: severe acute respiratory syndrome)の病原体であると決定し、「SARSコロナウイルス」と命名しました。

治療
現在も、有効な根治療法はまだ確立されていません。
病初期には鑑別診断を急ぎます。
症状の緩和と胸部レントゲン所見の改善を目的として、一般の細菌性肺炎を対象に広域スペクトルの抗菌薬療法を行います。
肺病変が進行する場合は、酸素投与や人工呼吸器などによる患者管理が必要となります。
海外では抗ウイルス剤であるリバビリンの静脈内注射・ステロイド剤の併用療法・インターフェロン療法などに効果が期待できるとの報告もありますが、治療効果が確認されていません。

感染経路
SARSウイルスは、SARSにかかっている人から周囲の人へ感染すると考えられ、動物を介して感染することを示す証拠はありません。
このウイルスは発症した人の体液や血液・排泄物に混じって体外に排出されます。
また、感染者に咳や肺炎などの呼吸器症状があることから、気道分泌物の飛沫感染が最も重要と考えられますが、これまでの疫学的検討から、それ以外の感染経路もありうると考えられます。
飛沫による感染が主たる経路と考えられるものの、手指や物を介した接触感染、糞便からの糞口感染、空気感染の可能性なども、完全に否定することはできません。
しかし、現時点において、物・食品を介しての感染を示す証拠はありません。
また、空気感染についても否定的です。

潜伏期間
潜伏期間は、およそ2〜7日で最長10日と考えられています。
11日以上経って何の症状もなければ、発病の心配はないでしょう。

予防法
感染者の早期検知・即時隔離と、接触者の自宅隔離以外には、特に有効な予防措置はありません。
一般的呼吸器感染症の予防策として手洗い・うがい・マスク着用・体力や免疫力の増強をはかる、人混みへの外出を控えるなどがあげられます。

1.感染している人との接触を避け、流行している地域がある場合、その地域に行かない。
2.感染している人が集まる可能性の高い人ごみは、できるだけ避ける。
3.感染の可能性の高い所では、マスクをする。
4.外出後などは、石けんと流水でよく手を洗い・うがいをする。
5.バランスのよい食事や睡眠をとり、体力・抵抗力を維持する。

鳥インフルエンザ

鳥類のインフルエンザは「鳥インフルエンザ」と呼ばれ、ヒトのインフルエンザウイルスとは異なったウイルスの感染を受けた鳥類が死亡し、全身症状をおこし、神経症状(首曲がり、元気消失等)、呼吸器症状、消化器症状(下痢、食欲減退等)などの特に強い病原性を示すものを「高病原性鳥インフルエンザ」と呼ばれています。
世界的にも、生きた鶏を店頭売りしている地域で感染した事例や、防疫業務に携わった人に感染した事例など、まれにトリからヒトへの感染が報告されていますが、これらの多くは病鳥と近距離で接触した場合や、病鳥の内臓や排泄物に接触した場合に感染しています。

国内では、家禽類の間での発生がみられたものの、平成16年10月時点まで国内でのヒトの感染の報告はありませんし、食品としての鳥類(鶏肉や鶏卵)を食べることによってヒトが感染をした例もありません。
鳥インフルエンザの原因ウイルスは、例年ヒトの間で流行しているインフルエンザウイルスとは異なりますが、同じA型のインフルエンザウイルスによる感染ですので、ヒトに感染した際の症状は共通の部分が多く、一層インフルエンザとの区別は難しくなります。
インフルエンザ様の症状が長く続いたり症状が重い場合で、感染の可能性が疑われるといった情報がある場合には、医療機関や保健所などへ早めに相談することが必要になります。
なお、WHOによると、ウイルスは適切な加熱により死滅するとされており、一般的な方法として、食品の中心温度を70℃に達するよう加熱することを推奨しています。
今後、再び発生するかどうかについては予測不能ですので、引き続き警戒をして行くことが必要です。

予防法

  • 鳥類に触った後は、手洗い・うがいを充分に行う。
  • 鳥小屋とその周囲の清掃を徹底する。
  • 糞尿は速やかに処理して鳥類のまわりを清潔に保つ。
  • 鳥小屋に近づくときは、手袋やマスク等を着用する。
  • 野鳥が近寄らないように、餌や防護設備の管理をしっかり行う。
  • 飼っている鳥類の健康状態に異常があった場合は、速やかに獣医師に相談する。
  • 飼い主が身体に不調を感じた場合は、早めに医療機関の診察を受ける。